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 私たち抜きに私たちのことを決めないで!
 
今こそ変えよう!「障害者自立支援法」10.30全国大フォーラム
 
緊急アピール


 私たちが声を発する。社会を変える。歴史を切り拓く。

 昨年4月、私たち障害者や関係者が反対の声やさまざまな疑問を投げかけたにも関わらず、強引にスタートさせた「障害者自立支援法」は、障害者の地域での自立生活を支える法制度ではないことが、ますます明らかになりつつある。

 この法律は、応益負担の導入をその中核とするものであるが、私たちの全国的な運動の広がりと波によって、政府・厚労省は、昨年末、1,200億円の特別対策を打たざるを得なかった。更なる軽減措置はとられた。しかし障害が重ければ重いほど、多くの負担を課すという基本的考え方は変えていないのである。

 加えて、未だに「障害の範囲」から抜け落とされ、障害者としてのサービスを受けられない仲間もたくさんいる。

 そして、介護保険になぞらえた支給決定の問題は、一向に解決されず、地域生活を厳しいものへとさせている。国庫負担の問題から市町村によっては、長時間介護サービスに大きな影響を与えている。地域生活支援事業となった移動支援や手話・要約筆記等のコミュニケーション支援、相談支援事業、地域活動支援センター等は、大きな地域間格差が生まれている。

 昨年“障害者の権利条約”が国連で採択された。国内の障害者のおかれている厳しい状況と、この権利条約には乖離がありすぎる。今、世界の「先進国」日本の社会福祉政策のありようが問われている。

 現在国会には、「障害者自立支援法改正法案」が提出され、与党も「障害者自立支援法の抜本見直し」を掲げて、審議が始まろうとしている。

 私たち一人ひとりの力は弱い。しかし硬いスクラムを組めば強い力を発揮できる。市民や国会を巻き込み、「障害者自立支援法」の抜本的出直しの大きなうねりをつくっていきたい。この抜本的出直しが、権利条約に基づく国内法の整備の出発点となる。

 私たちは上記の認識と、障害のある人もない人も、高齢の人も若い人も、安心して暮らせる真の豊かな福祉社会の実現を求め、以下アピールする。


  記

1、 日本の障害者予算はOECD諸国の中で低位の状況にある。障害者予算について積算し直し、大幅な予算の確保を行うこと。

2、障害者の権利条約にふさわしい障害者施策、地域生活のサービス基盤整備のための特別立法を含めて、真に障害者の自立・地域生活支援に向けた制度確立を、決して私たち障害者を抜きに行うことなく、障害当事者の参画の場を保障し、行うこと。

3、障害者の生活を直撃している「応益負担」を廃止し、障害者本人の実態をふまえた負担への変更を行うこと。又、手話通訳・要約筆記等のコミュニケーション支援は、音声言語に代わる言葉としての特性を踏まえ無料とすること。

4、「障害者自立支援法」の附則にある「障害の範囲の見直し」、並びに「所得の確保」に関して、この間政府ではほとんど検討がなされていないことをふまえ、早急に当事者の参画が十分保障された検討の委員会を立ち上げ、自立した生活ができるように現行制度を改正すること。

5、支給決定の仕組みを根本からあらため、障害者一人ひとりの生活要求に基づいたサービス支給決定が行われる仕組みとすること。また重度障害者が地域で長期間サービスを受けられるように、自治体に対する補助を別途十分に行うこと。

6、現行の日割り制度がそぐわない事業に対する早急な見直しを含め、「報酬単価」・体系の全面的な改善を行い、介護、日中活動、及びケアホーム等、諸々のサービスの安定化を図ること。また、人材確保を目的とする法制度を緊急に整備すること。

7、精神障害者への新たな隔離政策である「退院支援施設」は撤回して、当事者活動への支援・退院促進事業・住まいの確保策の充実など真に地域で暮らせる基盤を整備すること。

8、障害児の支援について現行の「障害者自立支援法」の枠組みではなく、「子ども」の権利の観点からつくり直すこと。


 2007年10月30日

 私たち抜きに私たちのことを決めないで!
 今こそ変えよう!「障害者自立支援法」10.30全国大フォーラム
 参加者一同

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各地各分野から実態を訴える