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障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会10.27発足集会アピール

 いよいよ闘いの始まりです。

 世界は障害者権利条約を実現している状況において、わが国では、応益負担を核とする障害者自立支援法が、障害関係者や障害関係団体の強い批判にもかかわらず、施行されています。障害のある人が、トイレに行くにも、食事をするにも、買い物をするにも必要とする支援サービスを、「利益」とみなされ、「応益」負担が強いられています。この応益負担の仕組みは、障害が重ければ重いほど、負担も多く求められるという、ノーマライゼーションとは正反対のものです。

 また障害者自立支援法は、在宅サービスへの国庫負担義務が盛り込まれたものの、市町村への補助基準が定められてしまい、その基準以上のサービスを市町村が行おうとすると、市町村の持ち出しとなってしまいます。これは、支援サービスの上限が設定されたにも等しく、必要なサービスを受けられない仲間が増え、地域生活の存続が危ぶまれる事態を迎えています。

 このような状況の中で、全国約30人の仲間が、障害者自立支援法の不当性・違憲性を司法の場で問うていこうと、勇気を持って立ちあがろうとしています。原告それぞれには、それぞれの生活があり、事情があり、家族もいます。私たちは原告一人一人の勇気と行動に対して、深く敬意を表するものです。

 私たちがおさえておく必要があるのは、この闘いは、原告30人だけの問題ではなく、障害のある人すべての生活と権利、そして人間の尊厳に関わる重要な意味を持つ裁判で、すべての障害のある人が原告です。そして、障害のある人の問題は、すべての人たちの人権確立のための闘いなのです。

 「持続可能」のかけ声のもとに、障害のある人の人権までもが値切りされることが許されるのでしょうか。障害のある人にも“生存権”や“幸福追求権”が憲法で保障されており、“法の下の平等”も明記されているのです。

 多くの困難な状況が立ちはだかる中、私たちは本日、“障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会”を発足させ、原告の仲間とともに、この訴訟を闘い抜いていくことを誓います。同時に、多くの関係者や市民の皆様に物心両面にわたるご支援を訴える次第です。

 
 2008年10月27日

 障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会 発足集会参加者一同